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help リーダーに追加 RSS 宙に浮く中南海 (チャイナ・クライシス その5)

<<   作成日時 : 2008/06/18 10:00   >>

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聖火リレーと四川大地震、この二つの要素が中国の縁起レイヤーを大きく変えることになった。特に地域共同体レイヤーの構築と直接海外と接続された意味は大きい。

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救援活動は地域共同体レイヤーで行われていて活性化しているのに対し、中国政府は支援物資供給を行うと同時に思想レイヤーで情報を流して、人民の思想統制を一生懸命行っている。対日印象の好転は望ましいが、好転しすぎるのも望んでいない。あの手この手で宣伝戦を行っている。

だけど、被災者にとっては、まず生きることが先決。誰であろうが助けてくれて、食べものをくれる人が一番ありがたい。宣伝で腹は膨れない。

今は各国の救援物資や救援隊が、地域共同体レイヤーでダイレクトに救援を行っている。こちらからの影響は格段に大きい。第一、被災者が政府の宣伝テレビをのんびり見ていられるような状況じゃない。神戸震災を経験した日本のカウンセラーも被災者のフォローを行っている。安易な反日宣伝は意味を成さない。

だから中国政府の宣伝戦は対被災者に限っていえば、効果は薄くて上滑りしてる。そんな被災者と接触した国内のボランティア達もその影響を受け、政府の宣伝など相手にしなくなってゆくだろう。自分の身に危害が及ぶ場合は別として。被災者の目の前の悲惨な状況を前にして、誰が英雄的行動をとっただのどうだの、そんなヒマがあれば助けろ、となるのが人情レベルでの反応。

中国政府の思惑と人民の求めるものにズレが出ている。中南海は宙に浮いている。

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問題は地域共同体レイヤーを主とした下位レイヤーの活性化が今後とも続くかどうかということ。海外からの災害救助隊はいずれ引き上げの時期を迎える。折角繋がった海外との縁起レイヤーが再び切断される。

その後になっても地域共同体レイヤーが活性化できているかどうか。これが将来の中国の連邦化・民主化の鍵。

下位レイヤーは自分の生活に密着したものだから、この層が活性化するということは、一旦直接的行動に出た場合は実に力強いものとなる。生きるか死ぬかに直結するから、中途半端ではいられない。その代りに中国全土を揺るがすような動きになるまでにはとてつもないエネルギーを必要とする。

そこらの邑程度の規模での暴動があちこちで起こったところであっという間に鎮圧されるのがオチ。

今後革命が起きるとすれば、この下位レイヤーが中国全土を覆うくらいまで形成され、活性化して爆発したとき。実際は金を貰って裏切ったり、離脱したりする人も出てくるだろうから、完全な統一行動を取ることは難しいだろうとは思う。

しかし、金で転ばない人も存在する。それは中国の人間関係で一番強力な「義」で結ばれた間柄。血縁や幇で繋がった関係。

もしも、こういった関係が、中国全土を覆う広がりを持った地域共同体レイヤーとして出来上がるとき、それは一大勢力となって、現政権を倒す原動力になる可能性はある。

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コメント(5件)

内 容 ニックネーム/日時
大変面白い論陣ですね。
しかし、革命と言うものは起きないと考えます。
中国政府は非常に柔軟な路線転換を行っていると考えます。多分、言われるような勢力が出る前に色々と変革に備えて柔軟に対応するでしょう。中国には外国資本も入り、国際マーケットに組込まれています。これとの決別と一党独裁では間尺に合わないのでは。
Hbar
2008/06/18 14:58
日比野さん、
こんにちは。地域コミュニテイーこそがシナの実体であって、そこへかぶさって収奪をするのがシナ式中央集権体制です。ですからその二つは、シナにおける根本的な社会矛盾であると思います。しかし、その中央集権体制こそが<シナ>そのものであって、その箍がはずれたとき、あるいは緩んだときが、革命の時、と相場が決まってはいます。しかし、歴史的に、箍がはずれた地域共同体ごとの独立割拠と(あるいはそれらの)連合という政治形態は、結局は一過性のものでいずれは皇帝権力による中央集権シナ体制に回帰していった、というのが、これまでのシナの歴史でした。
さて、かれらがはたしてその<シナ>を放棄して、あらたな政治社会体制を構築できるのか、あるいはその意志があるのか、は大いに疑問ではあります。
丸幸亭
2008/06/18 15:57
Hbar様、こんばんは。中国はひところに比べて確かに柔軟な対応をとっているようには思います。おそらく経済的に世界につながって、私流の表現では「経済レイヤー」が開放されている状態なので、他の先進国からの圧力を受けているからなのだろうと思います。

ただ、私が恐れるのは、中国は外国資本や国際マーケットに組み込まれたように「見せかけて」おいて、力を貯え、イザその時がきたら、自分達のルールに従わせようとするのではないか、と云う点です。最初は人口を背景とした市場の多さで妥協を迫り、最後が武力で従わせる。これが一番怖い。
非常に長期的で油断のならないところではないかと思います。
日比野
2008/06/18 23:20
丸幸亭様。コメントどうも、です。

>歴史的に、箍がはずれた地域共同体ごとの独立割拠と(あるいはそれらの)連合という政治形態は、結局は一過性のものでいずれは皇帝権力による中央集権シナ体制に回帰していった、というのが、これまでのシナの歴史でした。

まさに仰るとおりです。ここなのだと私も思います。中国のこれまでの革命は、天命が下りた故に天子の交代であって、人民主体ではない。項羽と劉邦を例にとるまでもなく、群雄割拠ののち、最後に勝ちそうなところに人民が寄ってゆく。勝ち馬に乗る型の革命(モドキ)です。

おそらく人民にとっては、「食わしてさえくれれば、誰が天子であってもかまわない」というメンタリティなのではないか、と。(これは次の最終回のエントリーに絡んできますが。)

言葉が悪いですが、西欧のような「個の目覚め」において弱いところがある。もしかしたら、中国人の素の心象として「老荘」に生きるというのがあるのではないかとさえ思うのです。長野でみせた横暴からはちょっと想像しがたいのですが。

日比野
2008/06/18 23:32
【承前】
今のままでは、たとえ共産党政権が倒れることがあったとしても別の新・共産党政権ができあがる危険は依然としてあります。

唯一それを打開することがあるとすれば、現在開放している経済レイヤーから資本主義的思考、プロテスタンティズムの精神を学び、人民がそれを我がものとできるかどうかにかかっているのではないかと思っています。
日比野
2008/06/18 23:32

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